とみおか心療クリニック 院長ブログ

旧称・とみおか心療クリニック(仮称) 開院準備ブログ

心療内科・精神科の「おとな専門」「こども専門」について―当院は「おとな専門」です。

 当院は現在(2022年9月)、「おとな専門」の心療内科・精神科として運営しております。なので、初診希望される方で20歳未満の方は、近隣の、児童思春期専門の医療機関を紹介させていただいております(ただし2022年8月より以前~当院に通院継続中の方は、そのまま継続して対応させていただきます)。

 また自分(院長)の知っている限り、大抵の心療内科・精神科のクリニックは、「おとな専門」「こども専門」に分かれており、両方に対応できるクリニックというのはほとんどない気がします。その理由について考えてみようと思います。

 例えば患者さんが「元気が出ない」「やる気が出ない」という訴えをしたとします。「おとな」の方であれば、通常の診察で原因と対処法がわかる場合がほとんどです。しかし「こども」、特に中学生以下の子の場合、通常の診察では全く手掛かりがつかめず、後々になって「実は学校で友達との間で…」「4月~担任の先生が変わったら、やたら細かいことにうるさくて厳しい先生で、怒られることが急に多くなって…」等々、後で原因が判明することもしばしばあり、そしてその対処についても、診察室内で完結せず、学校との連携、などが重要になってきます。そしてそのような対応をするためには、医師一人では到底不可能であり、児童思春期専門の心理スタッフ(公認心理師精神保健福祉士、等)が不可欠になってきます

 なので、「こども専門」の心療内科・精神科クリニックを運営するには、そのような、児童思春期専門の心理スタッフが勤務しているのが一般的かと思われます。 

 では、そのようなスタッフを雇用したうえで、「おとな」「こども」両方のクリニックを運営しようとすると、今度は別の問題が生じます。というのは、普段は一般的な「おとな」の診療を行い、時々「こども」が受診する、というスタイルで診療をしていると、せっかく雇った児童思春期専門のスタッフがいても、必ず出番があるわけではないので、待機時間が生じて手持無沙汰になってしまいます。また経営的にも成り立ちません。

 なので、児童思春期専門の心理スタッフを雇うならば、いっそ「こども専門」として運営してそれに特化して診療を行うほうが、経営的にも効率がよくなります

 以上のような理由で、大抵の心療内科・精神科クリニックは、「おとな専門」「こども専門」に分かれているのかと思います。まれに両方対応できるクリニックもなくはないですが、医師が複数いるなど大規模な所ばかりの気がします。そして当院は、「おとな専門」として運営することにいたしました。何卒ご理解・ご協力のほど、お願いできれば幸いです。