とみおか心療クリニック 院長ブログ

旧称・とみおか心療クリニック(仮称) 開院準備ブログ

当院での診察時間について(再考)

 以前の記事「診察時間・予約時間について」にてお伝えしましたように、当院での診察時間は、

初診約30分、再診約5分強

というのが現状になります(2021年5月現在)。

(1日の患者さん数平均約55名、うち初診平均約2.5名、初診診察時間約30分程度とし、1日の診療時間が6時間、以上より再診患者さんお1人の診察時間は、逆算で

(360分―30分×2.5人)÷(55人-2.5人) ≒ 5.428571…≒約5分強 となるため)

 これは、当院のみならず、ごく一般的な精神科・心療内科のクリニックでは、このくらいになってしまうのが実情かと思われます。

 

 

 なので、この枠におさまりきれない方、例えば毎回長時間(15分以上など)の診察が必要ないし希望される方に関しては、現状では、臨床心理士公認心理師)による心理カウンセリングが可能な医療機関を紹介させていただいております。

 

 再診で5分程度、というのが、ちょっと短い気もしなくもないのですが、このことについて検討してみようかと思います。

 

 以前、開院当初は、まだ患者さんの数も少なく、時間的に余裕があったため、少数ですが一部の患者さんにつきましては、ときに長時間(15分以上、ときに30分近く)の診察を行っていた時期もありました。

 しかしその後どうなったかというと、結局症状が改善せず、入院が必要になったり、あるいはより高度な医療機関での治療が必要になったりして、そのような医療機関を紹介する形になってしまった方が大半でした。また最終的には改善できたと思われる方に関しても、今思うと、他にもっといいやり方があったのではないか、徒に長引かせてしまったのではないか、などと自問自答してしまう状況でした。

 それに今思うと、開業以前に勤務していた病院などでも、長時間の診察をしていた患者さんのことを思い出すと、やはり同様だった気がします。

 以上の経験から、私(院長)自身が毎回長時間かけての診察を行ったとしても、結果的に、それに見合う効果は得られなかったか、むしろ逆効果だったのでは、ということがほとんどだったように思います

 ちなみに他のクリニック等でのやり方をみていると、「予約料」という名目で別料金を徴収したうえで医師が長時間の診察をしているところも、たまにみかけます(ごくまれに、採算度外視で毎回30分以上の診察を行っている先生もいらっしゃるようです)。が、ごく少数であり、通常は、医師の診察と並行して臨床心理士公認心理師)による心理カウンセリングを行っている医療機関が大部分かつ一般的かと思います。

 少なくとも私(院長)には、医師が自ら長時間の診察を行うというやり方は、向いていないのかと思います

 それに現状でも、初診患者さんを受けられるのは平均して3週間以上待ちとなっており、再診に現状以上の時間を割いていたら、初診患者さんを受けられるのがさらに先となってしまいます。

 東京などのように、多くのクリニック・病院の中から患者さんが受診先を選べるような地域ならいいのですが、群馬県内、特に富岡・甘楽エリアにおきましては、精神科・心療内科のクリニック・病院がかなり少なく限られております。そんななかで、少しでも多くの、一般的な医療を必要とされる患者さんに一般的な医療を提供するのが、当院の使命と考えております。

 

 開院以来、これまで2000名を超える患者さんが初診されましたが(2021年8月現在)、ほとんどの患者さんは、最初のうちこそ時間をさいた対応が必要になる場合が多いですが、ある程度症状が安定すると、平均約5分強という診察時間でも、治療上必要な相談・対応は十分可能となっています。

 しかしごく一部に、継続的に長時間(15分以上など)の診察ないしカウンセリングが必要(あるいは希望)という方もいて、その場合は前述のように他院に紹介・転院となりますが、そのような患者さんは、上記2000名以上の中で今までのところ約10名程でした。

 なので、当院の使命としては、より多くの一般的な患者さんのケアに専念するべきであり、ごく一部の特殊な対応が必要な患者さんにつきましては、無理に当院で対応するのではなく、そのような対応可能な医療機関にお願いするべきかと思われます(ただし今後そのような患者さんの割合が増えるようであれば、臨床心理士公認心理師)を採用しカウンセリング対応可能にすることも検討いたします)。

 

 以上の経緯から、当院では、 初診約30分、再診約5分強 という診察時間を基本とし、その形では難しい患者さんにつきましては、臨床心理士公認心理師)がいて心理カウンセリングの対応が可能な医療機関を紹介させていただく形とさせていただきたいと思います。

 その日の状況により、再診の診察時間が長引くこともあるかもしれませんが、その場合は、10分を超えた時点でいったん中断し、次以降の患者さんの診察を行い、手が空いたタイミングで再開する、という形をとらせていただきます。「密を避ける」という感染対策上も必要なことですので、何卒ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。